Velocette Viper
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Smiths Chronometeric

レストアへの一歩
1955 Velocette Viper

とりあえず、ここを目指してやっていますが
いつになるやら・・・・です。
1959 Velocette Viper 350cc です。

ヴェロセット バイパーのバイパーはマムシです。500cc はべノムで毒という意味です。
ViperはMSSと同一クランク、ボアで 27HPのOHVです。

手に入れた状態はそれなりです。
40年以上前のバイクですから、こんなものでしょう。
大きな欠品は無さそう、このまま手を入れれば乗れないことは無さそう?、そんな程度の物でした。
ヘッドへのオイルラインが無いが作れば問題なさそうです。
味があるには程遠いけれど問題ないでしょう、私の腕?でカバーしましょう??・・・・
とりあえず登録しておきましょう、通関証明でなく輸入証明書しかないですが。
これで、軽自動車協会と陸運事務所と交渉をしなければ。
レストアは登録の目処が立ったところで考えましょう、まあどうにかなります?、して見ましょう。
この辺りは、独り言にありますのでよろしかったら・・・・・・・・・・


お約束どうり、購入時は、当然?エンジンは掛かりませんでした、圧縮はありましたので、簡単そう、と思ったのが大間違い。

キャブOH後、プラグ穴から秘密?のスプレーをヒト吹きし、オイルの循環のおまじないキックを十数回・・・

ティクラーの儀式の後、キック・・・ちなみに、マグネット点火です。(お約束の火花は確認済み)
当然?!、掛かりません、これだから、レストア止められないのです。楽しみ倍増!!。

プラグ見ますと、まったく濡れていない。
キャブに手のひらを当てて、キック・・・
感触なし!?負圧が生じないんです。
あの、手のひらが吸い付く感じがまったくありません。

圧縮があって、感触なし、ん・・・・
初めての経験です。

バルブタペットクリアランスの調整窓を覗いてみました。
プッシュロッドが1本しかない、そんな・・・・・?。

オイルを抜いて、クランクケースのカバーを開ける。
ありました、落ちていました。
無事、どこにも引っかからず、ギア等に干渉しない絶妙の位置に吸気側のプッシュロッドが外れていました。

購入した当時、圧縮を見るためキックしたときでしょう。
多分、長い間にオイルが固まり吸気バルブを押し上げたあとカムは下がったけれどバルブがガイドに固着したのか下がらず、プッシュロッドが遊んでしまったと思われます。

とりあえず軽く組んでみます。
OHVですからどれも大した違いないでしょう、と始めました。
マグネット点火です、自動進角のガバナが有りましたので、点火時期を15度位と見当を付けて給排気のタイミングを合わせました。
進角すれば40度位に行きそう。
メグロより高回転で廻せそうな機構と判断しての狙いもありましたが・・・・・・
ワークショップマニアルなんて持っていませんので、経験値?でおおよそです。
まあこんなもんでしょう!。
ちなみにメグロ辺りですと点火時期は上死点前5度、最大進角33度です。
あのドコドコ感はこの遅い点火タイミングが関係しているのではないかと勝手に想像しています。

インターネット等で調べまくるが、・・・・・・・・・・・・・・ありません・・・・・Hitなし、見つけられません。
前オーナー?が付けたらしい黄色のペイントがある。
これを目安にすると・・・?、怪しい、何のタイミングなのか、単に駆動ギアへのタイミングにも見える。
点火時期等とは無関係?と判断する、何か意味はあるのだろうが少なくとも給排気には関係無さそう。
この点火マグネットを駆動するであろう、伝達ギアがクランク軸のギアと1:1ではない。
クランク軸が一回転するとふた山ずれる?、これではクランク軸が回転するたびに点火タイミングがズレていくではないか。
さすがにギアまで交換してはいないでしょう?たぶん、ちょっと不安。
マグネット側のギアを確認・・・・・・・・・・・・・・・
クランク軸と点火マグネット軸さえ同期していれば問題ないはず・・・・・・・・・・・・・・・・・
思ったとうり、同期している、あの黄色のペイントの意味は余計に不明!
紛らわしい、中間の伝達ギアだ、適当に噛み合せて点火タイミングだけ合わせれば問題なし、、、、ひとまず解決!
それにしても・・・・・・・スペースの関係で伝達ギアを一回り小さくしたのかもしれない?。
当時のデザイナー、エンジニアの苦労を思い、思わず微笑む・・・・・・・・・・
まあ考えてみれば、タイミングベルト、チェーン等で伝達していると思えば何の不思議もない、それを単にギアで行っていために紛らわしかっただけなのです。

やってみましょう、違っていてもせいぜいケッチンですから、エンジン壊れることはありませんから?・・・・・・・
ケッチンを馬鹿にしてはいけません、捻挫ですめばラッキー!です。
あくまで慎重に、そして思い切り良く・・・・・・・・・・・・・
まあケッチンがあれば終わったようなものですが?。
点火タイミングが正確ではありませんからバックファイヤで火災の危険もあります、キャブからのGAS漏れだけはご法度です。

手元にあったオイルを補給、とりあえずキャブに手をかざし、軽くキック・・・良いですね!
引きがまるっきり違います、手のひらが思い切り吸い付きます、ん^こうでなくちゃいけません!

よく聞かれるんです、レストアのコツ。
ありません、そんなもの
「そうですね?、レストアそのものを楽しめば良いんじゃないですか、あせらないこと、はやる気持ちを抑えてやりましょう」
と答えています。
機構そのものは単純ですから・・・・・・・・・・
な訳で、コーヒーを飲みながら眺めて・・・・・・・・気分が良いから、今日はおしまいです。




キャブのOHは済ませてあります、よっしゃ!、Gas入れましょう、天井から下げた調整用のタンクからのコックを開く。
ティクラーの儀式をすませ、慎重に上死点を足で探る、・・・・・・・・・・・・・・

デコンプは有るが、とりあえず無視350ccだがさほど圧縮比は高くない、いけるでしょう。

う、下りません、そんな?、気を取り直し、全体重を右足を掛け踏みおろす。
ボ^・このタイミングでこの返り、点火時期が遅すぎる!
ケッチンの返りの力が弱い?ケッチンのタイミングが通常?とチョット違うような・・・・・・・・・・・・
Hiコンプのエンジンを掛けるつもりでいきましょう、
レストア馬鹿はスマート(死語?)ですから、全体重といっても、167cm、50kgしかありません。
左足を軽くステップに乗せ、足が離れない程度のジャンプをしながら、一気に踏みおろす。
ボ^^・・、きましたケッチンが・・・・・・・・・・ワンテンポ遅れたような???。
間違いなく点火時期が遅い!、270度のズレのような気もする?、いやそれはないでしょう、多分・・・・・・・・・

排気カムギアの組むタイミングがずれている可能性が高い。
内部の汚れで見落としているのだろう、どこかに合マークがあるはず!
オイル、抜きましょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・

見直すが、無い?、・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日は止めましょう、明日洗浄してから再挑戦です。
レストア馬鹿は慌てません、のんびり楽しみます。
エンジン掛かってしまうと、詰まりません?、掛かると解っているから?。




さあ、見てみましょう、洗浄してもやはりマークらしきものは見当たりません。

理論的に考えましょう、見えてくるでしょう、きっと・・・・・・・・・・・・・・・・・・
レストア馬鹿は優秀なはず?、自己暗示?!。

おおよそのカムプロフィールを判断する。
ダイヤルゲージをセットして測定しながら、私の好み?は後にして設定する(結局私の好みの数字かも)。
吸気 上死点前30°〜下死点後60°
排気下死点前65°〜上死点後25°
こんなもんでしょう、多少違っていてもエンジンくらい掛かります。

点火時期を算出して見ます。
最大爆発圧力が上死点後(ATDC)約10度が理想とされていますから、これから逆算して点火時期を設定して見ます。
回転数と点火時期の関係をおおよそに決定
私の15度でいくと
1000RPM未満  上死点前 0.4ミリ秒
3000RPM以下  上死点前 0.5 ミリ秒
3000RPM以上  上死点前 1.0 ミリ秒

まあ、エンジン掛けるだけだから、1000RPM未満だけ計算すれば良いでしょう。
自動進角ですから後は勝手に行くでしょう。

別計算もしてみる。
ボア、ストロークから圧縮比を計算し、理想の空燃費として火炎伝播速度から割り出す。
アイドリングを1000rpmと仮定(計算が判り易いから)圧縮スピードが解った所で?・・・・・・・・・・・・・・・・・。
(計算方法に異論もお有りかと思いますが、こんなもんです、私は)

え、うそ!、BTDC31度。
そんなに早いの、私の設定の倍も開きがある。
でもこちらの計算の方が正しい気がする。

ハイオク仕様?まさか!
一般的にハイオクのほうが燃えにくく燃焼に時間が掛かる(よって点火時期がレギラー仕様より早い)。
レギラーもハイオクも持っているエネルギーは同じだが、エネルギーの回収効率から行けば、ハイオクのほうが良い。

リスクはこちらのほうが高い。
BTDC(上死点前)の最大燃焼は最悪です(本人が壊れます)
TDC(上死点)のとき、ピストン、プラグが溶けるか、コンロッドが逝くか(エンジンが壊れます)
どっちかが壊れるようです!・・・・・・・・・・・・・・
こんなに早い点火タイミングを私は知らない。

確かに旧いバイクほど、タイミングが早く設定されてはいる。
メグロは5度、エストレアは2.5度(比較車種は単に私の趣味です)
多気筒は17度くらいの物も多い。
発電機あたりのOHVには25度(固定)くらいの物もある。

自分を信じましょう?!、エンジニアの端くれですから!
全周分度器をクランク軸に取り付け、一応31度設定。
まあ、上死点前には間違いありませんから良いでしょう、このタイミングではケッチンがきつそうです。
半信半疑、ちょっと怖いけど、取って食われるわけでもないし行って見ましょう!、保険もあるし?。

一気に上死点を超えるスピードが必要です、恐る恐るではいけません、ジャンプキック?です。

あっけないです、簡単に掛かってしまいました、ばらつきはありますが概ね良好です。
失火のようです、この辺りは電気系のOHで問題ないでしょう。
アフターファイヤーが、いくらかあります、失火によるものと思われますが、GASが薄い可能性もあります。
点火時期、給排気タイミングの見直しも当然必要ですが・・・・・・・・・・・・・・・・・

フィッシュテールから吐き出される排気音が独特です。
いい鼓動です、なんて思っていたらエンジンストップです。

オイルの吐出量も見ておかなければなりませんから、掛け直します。

安心?して、キック・・・トトト、遣ってしまいました。
気が抜けていました、しっかりケッチンを頂きました。

慎重に上死点をさぐり、右足のみキックペダルの上で立ち上がっています。
当然左足はステップから離れています。

この位置から全体重50kgと脚力で一気に踏み下ろします。
何事も無かったかのように、簡単にエンジンが再び目を覚まします。
デコンプ使えばよいのですが、通常私は使うことはないです、この方がエンジンが掛かったときの音が気持ちが良いんです。
デコンプつかった時のあの情けない掛かり方が気に入らないんです、好き好きですから、いいんです。

オイルの戻りも問題無さそう。

フィッシュテールからの排気音を楽しみ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

また今度ね、で・・・・・




英国の文献を漁り倒した結果、やっと点火時期の詳細が判明致しました。
ワークショップマニアルは今だ入手はできませんが、行けそうです。

上死点前(BTDC)38度

ヴェロセットはMSS以外は38度のようです。
私の大雑把な計算よりまだ早かったです。
吸気バルブのタイミングが下死点後60度で閉じていますので大丈夫でしょう。
いや大丈夫では無いかも、30度進角したら吸気バルブが閉じてから52度・・・・・吸気タイミングはペンディングです。
当時のGASでしょうから、現在のGASならもっと遅くても大丈夫そうです。
私の計算は正確な設計Dataからの割り出しでもないですし、エンジンの味付けの関係もありますから、いいでしょう。
今後の計算に生かしましょう?。
この辺りはカムプロフィールと相談しながら、高回転タイプを狙ってレストア後にトライして見ましょう。


とりあえず、バラしましょう!で、今、現在、エンジン、ミッション等バラバラです。

欠品は特になさそうでしたから、カスタムは最小限にしておきましょう。
安全に走れるように電装系の12V化とウインカの追加、フロントブレーキスイッチの追加くらいでしょうか。



ありがとうございました。

サイトをご覧頂いたヴェロセット ベノムにお乗りの都内の方から ヘインズ社のVelocetteのワークショップマニアルを頂きました。
ありがとうございました、この場をお借りして、改めてお礼申し上げます。

一年ほど気になっていた所の詳細が判明致しましたので、少し進みそうです。

レストアへの一歩
エンジンの中のイメージ
エンジンからフレームを下ろしましょう?!
エンジンからフレームを下ろしましょう?!へ続く