ブレーキのお話
走る、曲がる、止まるの基本のブレーキ、どんなに高性能のエンジンでも止まれなかったら・・・・・・・・・・・・・・・・・
飾っておくバイクは置いといて、乗って楽しむにはブレーキがまともに効いてくれなければ走ることは出来ません。
走るのと走れるのはチョッと違います、全てが安全に機能してこそバイクですから・・・・・・・・・・

実際にブレーキ単体が効いても最終はタイヤと路面との摩擦ですから、この辺りはホイールとタイヤで。

現在の主流はフロント側はディスクブレーキが主流です、リア側はコストの関係からドラムブレーキも多いです。
移動する物には必ず何らかのブレーキは必要となります(競輪とかの競技用自転車にはありません)
これはエンジンらしき物が発明される以前からのものでしょう、紀元前辺りから、きっと・・・・・・・・・・・・・・・・

その昔、おじさんの引いていたリアカーの荷台の両側に木の棒がくくり付けられているのを見たことがあります。
不思議な棒でした、何のための棒なんでしょう・・・・・・・・・・・・・・・・・
見てしまいました、荷を積んだリアカー下りの坂道、おじさんも足を前にして頑張っていました、そして万歳をしながら下っていきました。
例の木の棒は地面を擦っています、そうブレーキだったんです。
棒ブレーキとでも呼びましょうか、「なるほど」と子供心に感心したのを思い出しました。

原点なんでしょうね、きっと・・・・・・・・・・・・

考えれば今でも雪の上でそり遊びをしている子供たちを見ていると、足や手で上手に方向を決めながらブレーキを掛けています。
スキー場でもボーダーがよくやっています?こけた時に、まあ雪は摩擦抵抗が少ないですから中々止まりませんが。
スキーヤーでも初心者はストックを杖代わり、ブレーキ代わりに使っているのをよく見かけます。
見ている方は面白いのです、スキー馬鹿は?こけません、めったに。
今ではシーズン30日ほどしか滑りませんが、一度もこけなかったシーズンもあります。


運動エネルギーを熱エネルギー、電気エネルギーに変換しているのがブレーキでしょう。
エネルギーがもったいない、熱でなく電気に変換すればいいのにと思ったのは私だけではないようです。
最近のハイブリッドカー、電車などは電気に変換して再利用しています。
エンジンで化学エネルギーを熱エネルギー、力学エネルギーに変えたかと思ったら、ブレーキでまた熱エネルギーに変換ですか、
忙しいですね、バイクも・・・・・・・・・・・・・
しかし摩擦熱は凄いです、F1見てますとブレーキローターが真っ赤になっているシーンがありますから。

単純に方式からいけば、摩擦を利用している機械式か磁力、起電力を利用している電気式かくらいの区別くらいしか無いでしょう。

馴染みのある機械式といえばドラムブレーキが一番でしょう。
ホイールと一緒に回転しているドラムの内側から、ブレーキシューを押しつけてその摩擦効果によって回転を減速させるのです。
ライニングにシュー(摩擦材)が貼ってあり、カムを使って押し広げています。
カムを二つ使ったのがツーリーディング方式です。
特徴は、サーボ効果と呼ばれている自己倍力効果です。
回転するドラムにブレーキシューを押しつけると、ドラムに食い込もうとする力が発生します。
強い力でドラムを押さえつければ、結果的に強い制動力が生まれるというものです。
制動力はドラムとシューの摩擦係数と、ブレーキシュー(摩擦材の面積)、そしてそのシューを押しつける力の大きさで決まります。
一般的には三日月のような2枚のブレーキシューが取りつけられています。

もう一つよく使われているのがディスクブレーキです。
ローター、ブレーキディスクと呼ばれる回転する円盤に、パッドと呼ばれる摩擦材を押しつけて制動力得ています。

ドラムとディスクどちらがいいの?ですが、好みでしょうか・・・・・・・・・・・・・・・・
まあディスクブレーキのほうが優れているとの判断で多くなっているのでしょう、市場原理?ですか・・・・・・・・・

熱エネルギーに変換している以上、放熱的にはディスクブレーキに軍パイ(死語)が上がります。
伝達にブレーキ液を使うことを考えれば、ペーパーロックもありますから放熱性でディスクブレーキの勝ちでしょう。

絶対的な制動力からいけば、ドラムブレーキは決してディスクブレーキに劣ってはいません、優れてもいませんが。

ただドラム、ローターを冷やせばいいという訳ではありません、パッド、シューには適温があります、高すぎるとフェード現象、低すぎると摩擦係数が確保できませので難しいです。
このパットの選定も街乗り、レース・・・使用条件により変わってくるのはこのあたりの要因です。

自転車はリムを左右から挟むキャリパーブレーキでしょう、後輪はハブをベルトで締めつけるバンドブレーキも多いです。
このキャリパーブレーキはバイクのディスクブレーキも基本的に同じす。

電気ブレーキにも発電ブレーキと電力回生ブレーキがあります。
いずれもモーターが使われている電車とかの乗り物です、。
発電ブレーキはこのモーターを抵抗器にして制動エネルギーを熱エネルギーに変換しブレーキとします。
電力回生ブレーキは、発生する電気エネルギーに変換してブレーキとします。
起こした電気は電線に返すんです、回生といわれるのはこの辺りです。
省エネです、水も空気も電気も高いところから低いところに流れます。
水圧、空圧、電圧、気圧・・・・・・・・・・・・・・・です。

私のお仕事でもこの回生ブレーキは使います、モーターは電気の供給を立っても慣性で廻り続けようとします。
このときモーターから電気が発生します、発電機にように、この電気をすばやく消費すればそれだけ早く止まります。
回生放電抵抗で熱エネルギーに変換しています。

最近の高速エレベータでも、降下時に電力回生をさせています。
ハイブリッドカーもブレーキ時のエネルギーをバッテリーに充電していますからまあ今は普通のことですか・・・・・・・

電磁ブレーキはあまり馴染みがありませんからいいでしょう・・・・・・・・・
うず電流ブレーキともいいますが、電磁石でローターを止める電磁ブレーキですね。


ブレーキ力の伝達の方法も色々あります。
ワーヤーケーブル、液、空気、電気でしょう、別の分け方をすれば機械式、電気式となるでしょう。
鋼線のワイヤーで力を伝達していている機械式はドラムブレーキ、パーキング(駐車)ブレーキあたりでしょう。

ブレーキ液方式も一般的です。
液圧を発生させるマスターシリンダとブレーキの間は耐圧ホースで結ばれ、ブレーキ液で充填されています。
圧力はこのブレーキ液を通して伝わります、パスカルの原理です。
ブレーキ装置(キャリパー)が離れていても瞬時にブレーキ指示が伝わります。
エア抜きが不十分だとブレーキ液中に含まれているエアのために圧力が伝わらなくなります。
気温が低いと粘度が上がりますので圧力の伝わり方が遅くなります。
一般的には植物性ブレーキ液のDOT3、DOT4あたりでしょうか。
私たち機械屋は鉱物油ブレーキ液を使っています。

空気方式は、トラクタ・トレーラなどに使われています。
車両を分離する都合でしょう、毎回エア抜きをするのは大変です。
今は二輪レース等で使われているいいエアー噛みの無いワンタッチカプラーがあるのですが。
エアー抜きが必要なブレーキ液方式より簡単です、でもエア方式ちょっと作動が遅いです、ブレーキ液に比べれば。

電気方式はどうでしょう、電車等大きなもの、長いものでしょうか。
ブレーキ圧力を電気信号に変換し電線を通してブレーキ装置に伝えます。
この電気信号をレベル変換(リニアたぶん)して空気圧(油圧)で動作させます。

飛行機は空気抵抗と逆噴射でしょう。
フラップ、スポイラーで空気抵抗を受け、ジェットエンジンの逆噴射・・・・・・・・・・・
これでかなりの減速です。
あとはディスクブレーキでしょう。
そう、ディスクブレーキを最初の使ったのは飛行機です。
プロペラ機は?、多分プロペラのピッチ(向き)を変えてるのでしょう、まさかプロペラの逆回転は無いと思います、自信ありませんが・・・・・・・・・・
艦上戦闘機のようにパラシュートとワイヤーは飛行場では見たことありませんので・・・・・・・・・・・

エネルギー源では、人力、真空倍力、空気倍力、油圧倍力、電気でしょか。
人力だけでバイクを止めるのは力の無い私でなくとも出来ないです、まして電車、飛行機などとてもとても・・・・・・・・・・・・・・・・・
なにを使っているのでしょう。
魔法です?!・・・・・・・・・・・・・・

とりあえずバイクで、リアブレーキ、フットブレーキとも言われていた事もありましたが踏力です。
フロントはディスクの場合はブレーキレバーの入力はわずかな指1,2本です、え!、私はそうです、握る事はありません。
ブレーキレバーは握るのでは無く、引くと教わりました、私だけですか?

そんなことは置いておいて、このわずかな入力をまずブレーキレバーのテコの原理で3,4倍にします。
その力をこんどはパスカルの原理で6,7倍にします。
すると18倍から28倍の力が伝わります。
すごいです、車にはこの伝達の中間に真空倍力、油圧倍力とかの力を使っていますから、さらにこの3,4倍の力が加えられます。
じつに100倍以上の力です。
それぞれの比率を変えれば当然もっと大きな力が出せます。

ドラムブレーキの場合は入り口と出口でのテコの原理が使われています。

この間ずっと働いているのがタイヤと路面の摩擦抵抗です、走るときも止まるときも常にですが。

何処に付いているのか解からないエンジンブレーキもありますが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・