Meguro S7 No.1
メグロはドライサンプ方式ですからオイルタンクが外付けです。

本来はバンジョーボルトタイプのワンウエイバルブがクランク側に付いています。

OH出来ないタイプです。

このワンウエイバルブはスプリングレートが弱い??。

長期間エンジンを掛けませんと、オイルがクランク室に全て下りてしまいます。

エンジンを掛けた際に下がったオイルの分だけクランク室の圧力が上がり、リリーフチェックバルブから大量にオイルを吹き出します。

オイルタンクを作るのに合わせて、このワンウエイバルブを作ってみます。

本来はクランクケース側への取り付けですが、オイルタンク側へ取り付けます。

オイルの流れを考慮した加工の都合です、早い話が作りやすい!?

ワンウエイバルブはエンジンの負圧により動作します。

キャブと同じですね、ガソリンをシリンダー内のピストンの下降による負圧でキャブから引き込みます。

ワンウエイバルブはクランク室のピストンが上昇する際のクランク室の負圧によりオイルタンクからオイルを引き込みます。

2サイクルと同じですね。
ワンウエイバルブの製作
材料はA5056 25mmのアルミ棒から削りだします。

ステンレスボールは 6mmです。

スプリングはステンレス製のレートの違うものを、数種類用意しました。

カット&トライです。
M14 細目のネジを切っています。

垂直にネジを切る為に、旋盤を使いました。

芯押し台を使って慎重に押します。

ある程度食い込んだ所で、後は手でハンドルを廻します。

旋盤でもネジは切れるのですが、ピッチに合わせたギアの架け替え等、面倒です、笑
19mmのナット加工です。

フライスとインデックスを使用して60度ごとに加工します。

バンジョーのパッキン用にフランジ部を残します。
ボールが入る位置まで6.8mmで通っています。

M8mmのネジを、深さ20mmまでセンターに切ります。

ボール、スプリングを組み付けする為の加工です。
M8のキャップボルトを沈める為の加工です。

あまり突き出ていますと、カッコ悪い!?、ただそれだけですが、笑

座繰りと同じですが、座繰りドリルが使えませんので、フライスとインデックスを使用しました。
加工が終わったワンウエイ用のバンジョーボルトです。

3個作りましたが、使用するのは1個です。

1個も3個も手間はあまり変わりません。

最初の1個は試作のようなもの、条件出し等の確認用です。

この後、アルマイト処理を行ないます。
バンジョーへのオイルラインの穴です。

6mmの貫通です。
オイルライン用のクビレ加工。

径11mmで加工しています。

深さ1.5mmで幅6mmの加工です。
オイルタンク側

5.2mmの穴加工です。

ボールが6mmですから、0.8mmの引っかかりです。

ボールの当り面は、コンパウンドで再研磨しました。
フランジナット側

M8mmのネジは、深さ15mmです。

19mmのレンチ用にナット加工しました。
この順番で組み立てます。

キャップボルトもアルミを使用します。

実際の使用にはキャップボルトにパッキンを入れます。
組みあがり。

キャップボルトは1/3沈み込んでいますが、まだ長いですね。

薄型に交換しましょう。
こんな状態での使用になります。

バンジョー側から強く吸い込みますと何とか通リます。

エンジン側の負圧はもっと強いハズですから、大丈夫!?

ボール側から強く息を吹き込んでも通ってくれます、吸っても通じませんのでいけそうです。

エンジン停止でオイルが下りなければ成功です。

勿論エンジンが掛かればオイルが流れなくてはいけませんが。

実際に取り付けてから、カット&トライでスプリングレートを決めます。
スプリングの安定を図るためにジュラルミンのM8キャップボルトを追加工しました。

先端をスプリングの内径まで削り込んでいます。

内部スプリングの末端位置が固定されますので、機能的にも安定すると思います。
ゴールドアルマイト処理です。

チョッと派手かな!?

ワンウエイのスプリングレートの調整用のキャップボルトはあえてメッキを避けました。