寿命?機械設計のお話
寿命・・・・縁起でもない!?
いえいえ機械の寿命です。
何にでも寿命はあるものです。
機械装置、バイクの寿命は個々のパーツの寿命の積み重ねでしょうか?

スパークプラグの寿命はどれくらい??
放電回数でしょう!?
人間の心臓の耐用年数?寿命と一緒でしょうかね。
動物も含めて、一生の心拍数は20億〜25億回ほど。
心拍数が多いと寿命が短い!?
人間は、起きているときに60〜70回/分辺りがアベレージですね。
鶴は千年亀は万年ですか、鶴の心拍数は1分間に4回!?

回転が高いほどプラグの寿命は短いようですね。
電極の磨耗で徐々ギャップは広がっていきますからメンテナンスは必要です。
プラグギャップは広いほど高い放電電圧が必要となりますから。
とは言ってもメンテナンスより交換ですね。
私はオイル交換に合わせて3000kmでプラグ交換です。
消耗品ですから・・・・・・・乗っているのはどれも単気筒ですしね。

2気筒なら倍の6000km?、でも1カム1ポイントの捨て火仕様はやはり3000kmでしょうかね?
排気量の大きな多気筒でトルクがバリバリあるV8のような車なら常用回転も低く50000kmくらいプラグ交換無しで大丈夫でしょう?、多分

メンテナンスでスパークプラグを付けたり外したりします。
ヘッド側のプラグの雌ネジも労わりましょう。
プラグはパーツを固定する為のネジではありません、メクラ栓?・・・パーツ其のものですから締めすぎは禁物です。

スパークプラグには当然規格があります。
取り付けネジ部の寸法ピッチ、抵抗の有無、熱価、ネジ部のリーチ、そしてプラグ電極部の材質の仕様でしょうか。
このほかに使用目的、電極部の飛び出しの規格もあります。

簡易的に圧縮比を上げるためにリーチの長いタイプを使用することもあります。
電極の飛び出しているタイプの使用もあります。

ピストンに接触しないことも当然ですが、プラグが燃焼室に突き出す事により電極の点火する位置もピストン寄りになります。
これによって、全体的な点火時期の進角が起こってしまいます。
ネジ部の長さ(リーチ)はNGKでいけばH=12.7mm E=19mmです、無印はもっと短い9mmです。
基本的にNGKを使用しています。
理由!?・・・・・熱価を始めとする色んな規格の表示が解り易いから、それだけです。

プラグの焼け色もこんがりキツネ色はありません。
有鉛時代のお話です、添加剤を使っているとそんな色にもなりますが。
薄灰色でしょうか。
薄い?・・・・燃料が薄ければプラグを見なくても乗っていれば解ります。
トルクは無いですし、上が廻りませんから。
しっかり廻ってプラグ電極のガイシが真っ白でしたら熱価を上げるのが一番だと思いますが・・・・・・・

抵抗入りはロスがありそうと思われている節があります。
けしてそんなことはありません。
抵抗という言葉からの連想でしょうか、そんな場合にはレジスタと言い換えれば大丈夫です!?
でもレジスタンスはレジスタからですから駄目でしょうかね。
最近のバイクは電子機器が搭載されていますから電磁ノイズの影響は大きいです。
モトGPを始めF1のレース車両でも現在は全て抵抗入りのプラグを使用しています。
スパークプラグは元々、空気の絶縁抵抗を突き破ってスパークするのが目的ですから、プラグに入っている位の抵抗値では二次電圧の30000Vで計算しますと無いに等しいです。
プラグギャップが1/10000位広がった程度の影響でしょうかね。

寿命でした、戻りましょう?

バッテリーはどうでしょう。
どこかに書いた気がしますので・・・・・・・
メンテナンスフリーバッテリー(MFバッテリー)はオープンの鉛バッテリーより寿命が短いと思われています。
そんなことはありません、シールバッテリーのほうが寿命は長いですね。
MFバッテリーは過充電に弱いのは確かです。
鉛バッテリーが過充電に強い訳でもありません。
オープンタイプは液が減ることにより過充電の状態を目視することが出来ます。
MFバッテリーは液のメンテナンスはできません、メンテナンスフリーですから・・・・
オープンタイプのメンテナンス=蒸留水の補充です。
過充電されてもそれを補うことが出来ます。
ただオープンタイプは意図的に過充電の状態を作り出している部分もあります。
過充電により発生する水素の泡で液を攪拌しようとする狙いです。
蒸留水を補充しなければオープンタイプのバッテリーも寿命となります。
MFバッテリーは過充電になりますと水素ガスが大量に発生してその逃げ場が無くなります。
水に還元しきれなくなります、最悪は爆発?!

過充電にならないように回路を設定すれば特に問題ありません、当たり前ですが。
市販されているバッテリー充電器を見ますとオープンバッテリーとシールバッテリーの切替スイッチがあります。
シールバッテリー対応との表記で切替のないタイプもあります。
オープンバッテリーの専用タイプもあります。
どこが違うのでしょう。

充電方式の違い?

バッテリーに電気を蓄えるときには電気エネルギーを化学エネルギーに変化させることにより行なっています。
バッテリーの充電のときに、14.2V〜14.7Vといった12Vバッテリー本来の電圧より高い電圧を加えるのも化学変化させるためです。
実際の充電のさいには水の電気分解、熱などにも充電エネルギーが使われてしまいます。
その為に充電するの20%程度高い電圧の充電エネルギーが必要になる訳です。
もう一つはやはり電気が高い所から低い所へ流れるという大前提があります。


と、私がサイトのレストア大好きの電気のお話に書きました。
基本的にシールバッテリーでもオープンバッテリーでも同じです。
違いはシールバッテリーの充電には定電圧回路(レギュレータ)が組まれているだけです。
その充電電圧はオープンタイプの充電電圧の14V〜15Vに対して1Vほど高い15V〜16Vに設定されています。
過充電を避けるために充電電流を下げています。
単純にオームの法則ですから、電流を減らすには抵抗が同数値なら電圧を上げればいいんです。
電圧を上げてその分電流を減らしてガスの発生を抑えています。
満充電時のフローティングにも対応していますが。
オープンタイプの充電は擬似定電圧回路としてトランスの飽和による電圧制限です。

MFバッテリーを使うと寿命が短いといったケースは、電子式レギュレータの故障、チリル式なら調整不良で高い電圧が出力されているからでしょう。
バッテリーの個別不良もたまにはありますが。
MFバッテリーは補水できませんから、過充電されて水分が電気分解されて外へ逃げ出してしまうと終わりです。
基本的に逃げないですから爆発?!
オープン式は過充電で液が減少しても補水すればとりあえず使えますので寿命が長いと勘違いしてしまいます。
補水しなければそこで寿命ですからMFと同じです。
頻繁に補水しなければいけないのは、充電電圧がチョット高めですね。

最近のバイクはレギュレータが使用されています。
そのままMFバッテリーに載せ換えて使用しても問題はおきないでしょう。
旧い車両でレギュレータがないのは擬似定電圧回路として充電器のトランスと同じくバッテリーの飽和による電圧制限です。
旧いこんな車両ではMFバッテリーを載せるのは無理ですが・・・・・・

オープンタイプの鉛バッテリーをシールタイプのMFバッテリーに置き換えできないでしょうかとよく聞かれます。
出来ます!、が?と答えております。
メーカーでは出来ませんとの優等生のお答えが帰ってきます。
検証もしていませんし、PL法もありますから・・・・・・・・・・・・・・
充電器と違いバイクのレギュレータにはサルフェーション除去機能、放電を使用した回復機能、初期充電時の昇圧機能、フローティング回路etcもありませんし・・・・・・

旧いチリル式のレギュレータでしたら出力電圧を調整できますから15〜16Vに調整しなおせばMFバッテリーを使用しても大丈夫です。
メグロで5年ほどMFバッテリーとチリル式で乗っていましたがバッテリーは無交換でした。
現在は電子式ですが。

またずれてますか、寿命?

バッテリーの寿命はサルフェーションが殆どです。
MFバッテリーは過放電にも弱いですかね。
端子電圧が10Vを切りそのまま放置しますと充電初期に20V掛けても復活が難しくなりますね。
最近はパルス充電、サルフェーションを除去する充電器もありますから寿命は延びましたか。
MFバッテリーを10年以上交換なしで使用している友人もおりますからメンテナンス次第でしょうかね。

チェーンの寿命はどうでしょうか。
チェーンは伸びる?、本当にチェーンは伸びるのでしょうか!
伸びません!?
確かに全長は長くなります。
これは左右のプレートが引き伸ばされたりしている訳ではありません。
ジョイントピンの磨耗、ローラー、ブッシュの磨耗によりクリアランスが大きくなった為です。
磨耗によりジョイント部1箇所に付0.1mmのクリアランスが拡大すれば100リンクでは引っ張った時には10mm全長が長くなるんです。
ピンが磨耗でロスが増加、クリアランスが大きくなるとスプロケットのピッチと合わなり最悪はチェーンが外れます。
チェーンが伸びた・・で好いんでしょうかね、やはり・・・

プラグがカブルと言うときがあります。
プラグがガソリンで湿った状態をプラグがカブルと表現することあります。
これは間違いです?
この場合は単純にプラグが濡れた、湿ったというのが正しいと思いますが。
プラグがカブルのはあくまで中心電極のガイシにカーボンが蓄積して漏電する状態です。
新品プラグはカーボンなど付着していませんから絶対にカブリませんよね。
確か遥か昔にそう教えられましたが・・・・・・・・・

チェーンのフリクッションが問題にされることもあります。
シールチェーンとノンシールチェーンでは。
確かに静止時のフリクッションはノンシールの方がロスは少ないのですが、回転中のロスはノンシールチェーンの方が多くなります。
バイクは走らなければ意味がありませんから選択はやはりシールチェーンです。
雨天走行時などは特にチェーンへの異物のダメージを受けやすいですからシールチェーンが有利ですしね。

スプロケットは?
手裏剣のようになったスプロケットは論外ですが・・・・・これも消耗品ですから交換は必要です。
実際にはバイクは1方向へしか回転しませんので歯の後側が弧を描くように弓状に磨耗します。
ドライブスプロケットよりドリブンスプロケットの方が消耗は激しい?
表面硬度からいきますとチェーンのローラーの方が硬くなってます。
スプロケットは各歯が伝達荷重力を分担しているように感じます、実際この計算は複雑です。
私たちがチェーン機構で設計する場合には1歯で全ての負荷を受ける計算です。
実際、1歯で全ての荷重を受けても大丈夫です。
寿命は円周上のピッチで判断致します。
調整は軸の水平度、ドライブ、ドリブンスプロケットの平行度でします、これが狂いますと磨耗は異常に進みます。

ポイントも消耗品です。
ポイント接点の磨耗、電食そしてヒール部の磨耗あたりでしょうか。

ポイントは瞬時に電流を遮断するのが一番重要なお仕事です。
ポイントが開いて電流が無くなりますと磁界も無くなります。
変化率が大きいほど起電力も大きくなります。
接点でスパーク等で電流の引きずりで遮断がのんびりと行なわれますと起電力は小さくなります。
ポイントギャップは狭くても広くてもダメなんです。
狭いと点火時期が遅くなります。
1次電圧のカットが不正確になります、ポイント間のスパークの引きずりによる現象です。
ミスファイヤの多発でしょうか。
広いと点火時期は早くなります。
チャッタリングも発生し易くなりますし高回転時の点火時期が不正確になります。
微妙な問題ですがポイント接点が閉じている時間が短くなりますので点火コイルの通電率が下がり電力不足の可能性が出てきます。
機械的にはヒール部の磨耗、スプリングの張力低下でしょうか。

通常のポイント調整値の確認は静的測定であるギャップ測定でしょう。
0.4〜0.5mmが標準になっていますね。
ドエルアングル(カムクロージングアングル)の測定という方法もあります。
エンジンをアイドル回転させた状態で測定します。
簡単にいいますとポイントの閉じている角度で決める方法です、アマチュアには一般的ではありませんが・・・・・・・・・・・・
360度を気筒数で割った数値に通電率を掛けて計算した数値が目安です。
点火コイルへの通電率です、一般的には60%が目安ですかね。

電流を瞬時に切るのを補っているのがコンデンサです。
物理的にポイント接点で電流を切り、電気的にコンデンサで電流を切ります。
コンデンサがパンクしてオープンになりますと満足にエンジンは掛からなくなります。
ポイントが開いても接点間のリークで1次電流が遮断されにくくなりますから。
コンデンサのショートはまず起こりません。
ショートすれば絶対にエンジンは掛かりません、ポイントを開いても1次電流は絶対に切れませんから。

通常コンデンサーの容量は約0.2〜0.3μF程度です。
この容量は点火方式、イグニッションコイルの抵抗値によります。
バッテリー容量もコンデンサ容量の設定に影響を及ぼします。
理論上ですから、体感は?

コンデンサにもおおよその目安はあります。
フライホイールマグネット点火では0.3μFが一般的です。
バッテリー点火を使用する原動機付自転車や200cc程度迄の排気量ですと0.2μFです。
400cc程度までは0.22μF、それ以上の排気量では0.25μF位が目安となります。
大して差が無いように思われる方もおる事でしょう。
電気の世界ではコンデンサの0.3μFと0.2μFの0.1μFの差は膨大な容量です。
ポイントの直近に取り付ける必要もありませんから、しっかりとしたアースさえ取ればどこに取り付けてもかまいません。

流用するのは簡単です、車のコンデンサでも対して影響はありません!?
ポイントの使われているコンデンサの容量の範囲は知れていますから、流用元の車種が解らなくても大丈夫!かな?
容量の大きさによる変化は私も試験していませんので何ともいえません。
旧い容量抜けしたコンデンサよりは立派な仕事をしてくれると思います。
昔、夢中になって真空管ラジオ、アンプで遊んでいる頃はコンデンサの容量抜けはよく経験致しましたが・・・・・

点火方式をポイント方式からセミトランジスタ方式、フルトランジスタ方式に置き換えることもあります。
確かにメンテナンスは基本的に不要となります。
セミトランジスタ方式はポイントを信号用のスイッチとして利用していますし、進角は遠心ガバナに頼っていますのでメンテナンスは必要ですが。
市販されているフルトランジスター方式の点火キットはバッテリーの端子電圧が11Vを切るとかなりスパークプラグの火が弱くなります。
10Vを切りますと99%点火しなくなります。
研究用?に購入しました。
フルトランジスター点火装置自体が結構の電気を消費していることも原因の一つです。

バッテリー容量が大きければ良さそう?、積載場所がありませんが。
バッテリーはコンデンサと違いその特性上、瞬時の電圧変化に対応できませんしね。
旧いバイクのダイナモによる発電は発生電圧の上下幅が大きく、アイドリング時にはほとんど充電は期待出来ません。

ポイント方式の点火ですと9V位まで何とかスパークプラグに火を飛ばしてくれます。
こんな時にはバッテリーとパラレルに電解コンデンサを接続しておきますとかなりの効果が期待できます。

でも私は12V仕様車の点火系をセミトランジスタ方式にしています。
自作のセミトランジスタ方式点火装置は消費電流は300mA以下、昇圧回路も組んでありますので6V以上あれば問題なくスパークプラグに火は飛びます。
元ロジック屋ですから・・・・・
出先で突然壊れて修復不可能の事態を考えますと直ぐにポイント点火方式に戻せるセミトランジスタ方式の方が有利でしょうかね。

俗に言われるノロジーも付けております、効果が疑問視されることも多々ありますが。

プラグでのアーク放電は誘導放電に寄るものなのですが、この前段階として容量放電が始まります。
容量放電は文字通リコンデンサに寄るものです。
イグニションコイルにおいて逆起電力が発生すると最初はコイル、ハイテンションコード等と車体とのアース間に自然に発生するコンデンサ浮遊容量に蓄えられます。
時間にしますとμsくらいですが。
空気は負性抵抗ですから、電流が一度流れ始めればその後の電圧は低くても良いのです。
一度アーク放電が始まると電圧が落ちてもアーク放電は持統します。
その引き金となるのがコンデンサによる容量放電です。
コンデンサによりスパークが強くなる訳ではなく、その放電の開始を助けるんです。
ノロジー等はこの特性を積極的に引き出す為のコンデンサです。
放電のきっかけを作りますから失火が減りパワーアップ?の図式でしょうかね。

点火方式のお話に書きましたか。

点火時期も問題もあります。
旧いバイクでは上死点前5度あたりが多いです。
最大進角は30度辺りが目安です。
最大進角も3000rpm〜3500rpmあたりでその数値に達しています。
それ以上の回転数でも進角は同じです。
回転数が高くなればなるほど どんどん早く点火していかなければ理想とされる上死点後約10度で最大圧力になりません。
実際には回転数が上昇するに従い混合気が勢い良く吸入されます。
この為に燃焼室内での乱流が強くなり着火後の火炎伝播速度が速くなっています。
高回転になるに従い進角度合いは緩くしてあるのが一般的です。
ある一定の回転数以上では相殺される為それ以上の進角は必要なくなるという事でしょう。

旧いバイクでエンジンをOHした時には点火時期を意識的に遅く設定しています、300kmくらい走行したら設定しなおしています。
エンジンの掛かりが良いですしアイドリングは安定します。
点火時期を変更することでエンジン特性はガラリと変わります。
メーカーの点火時期、刻印でなく自分のいい感じと思う所でいいのではないでしょうかね。
大きく外れることはありません、大きく外れればとてもいい感じには成りませんから・・・・

点火時期は寿命と違いますか?・・・・・・・

点火コイル(イグニッションコイル)はどうでしょうか。
基本的にトランスですから壊れる要素は非常に少ないですね。
絶縁不良くらいしかありませんか?、プラグコードの接続部の接触不良もありますが。
ポイント方式ですと接点が閉じているタイミングでキーをONしたまま忘れているとか・・・・
電流が流れ続けてコイルが焼け絶縁不良を起こすくらいしか無いように思われます。
エンジンが掛かっていれば切り忘れることもありませんが、レストアや調整中にエンジンが掛からずチョット珈琲ブレイクなどと思った時にはスイッチを切るのを忘れてしまいます。

点火コイルの不具合があり他車用を流用する場合にはコンデンサと違い注意が必要です。
点火コイルにも特性があります。
低速での放電時間を重視した低回転タイプとレスポンスを重視した高回転タイプです。

旧いバイクは殆ど前者ですね、1次コイルの抵抗値も大きいです。
1次コイルの抵抗値は重要です。
旧い点火コイルの抵抗値は4Ω位、流用は抵抗値が1Ω違うと電圧が低い分電流値に大きな変化が起こります。
12V仕様車で点火コイルを4Ωを3Ωにしますと1Aも電流が増えてしまいます。
ポイントに流れる電流もさることながら発電系、バッテリーの負荷は相当きつくなります。
通常は外部抵抗を入れて抵抗値を合わせますが。

これだけなら良いのですが?!
フルトランジスタ方式で点火コイルも一緒に交換するタイプもあります。
他車流用で抵抗値の少ないタイプを使用する時もあります。
最近の外部抵抗式の点火コイルは一次巻線を減らしていますので抵抗値がかなり少なくなっています、中には0.5Ω位の物も。
こんなタイプは勿論外部抵抗を使用しています。

旧いバイクに使用されている内部抵抗の高い点火コイルは一次電圧がゆっくりと立ち上がります。
このタイプの点火コイルは低回転時にはポイントが長時間閉じていますので一次電流は十分に流れますが、高回転になりますと一次電圧の立ち上がりが間に合わなくなります。
点火コイルの一次電流が減り 二次電圧が十分に発生しなくなります。
上記に書きましたドエルアングル、ポイントの点火コイルへの通電率です。
高回転に対応する為に一次コイルの巻き線数を減らし一次電流の立ち上がりをよくしたのが外部抵抗式のコイルです。
コイルの巻き線数を減らしますと コイルの抵抗値も減少します。
抵抗が低いですと当然のように一次電流が増えます。
そのために 一次電流が大きくなりすぎないように一次コイルと直列に外部抵抗を入れて制御しています。

一次コイルの巻数を減らしている理由がもう一つあります。。
高回転向けの点火コイルは逆電流の影響を受けにくくする為に、一次コイルの巻き数を少なくし外部抵抗方式をとっています。
点火コイルはポイントの断続によって発生する誘導電流によって二次コイルに高電圧を発生します。
磁化されたコイルの鉄芯によって逆にコイルには逆起電力が発生します。
逆起電力は時間の経過とともに減衰していきます。
点火間隔に余裕がある低回転時は次の点火タイミングまでに逆電流が収まってくれますが、高回転時には収まりきれません。
逆電流が収まる前にポイントでスイッチングが行なわれますと一次コイルの電流が相殺され二次電圧も下がってしまいます。
多気筒になればなるほどポイントの断続によるスイッチングの間隔は短くなっていきますので内部抵抗の多い点火コイルは不利になります。
単気筒用の点火コイルを4気筒に使用しても高回転に付いていかれない?でしょう。
逆の使用でしたら影響は無いでしょうね!?
同じコイルでも何回転まで使用できるかは気筒数に影響されますから。

旧いバイクで高回転を狙う時の参考です!?

話はズレたままで戻ってきません。
タイトルを変えたほうが良さそうですね。


私たち設計屋は何を基準に設計をしているのでしょう。

機械設備の寿命は設備の強度と負荷のバランスから決まります。
そのバランスは強度、負荷の大きさだけでなく設備を取り巻く環境によっても左右されます。
材料技術や診断、解析、設計技術による設備の高強度化、負荷軽減だけではなく環境改善としての流体の清浄化や流体そのものの質の開発、さらにはシール技術などの流体潤滑技術によっても長寿命化が可能となります。
結果として現れるのは設備のメンテナンスフリー化です。

機械装置で云う寿命は基本的に耐久性です。
機械製品には、正確性、確実性、安全性等の信頼性と共に耐久性が必要となります。
人間工学も考えなくてはいけませんが耐久性は不可欠な要素です。
全てが機械式の場合には修理の出費さえ厭わなければ寿命はほぼ半永久的です。
機械加工によるものは何処の加工屋さんでも再生、新規製作が可能です。
これに対して制御に電機、電子部品が使われている部分に関しましてはメーカー次第です。
補修部品の有無、メーカーの在庫、補修部品供給期間が決まっていますからメーカー欠品となればそれで終わりです。
代替品で修理することはできますが。

一番機械寿命に影響を与えるのは振動です。
しかし機械振動は構造物、機械が必ず持っているものです、持病でしょかね。

機械は各部品の絶え間ない動きから発生する振動、摩擦にも耐えなければなりません。
制振処理を施し機械寿命を延ばす設計は不可欠です。
免振処理する箇所と制振処理する箇所も考慮します。
バイクでいけばメータ等は免振処理としてラバーマウント、エンジン、フレーム等のリブ、肉厚等は強度としての制振処理です。

回転機械の故障には、ベアリングやギア欠損などの磨耗系故障、アンバランス、ミスアライメント等の構造系故障が殆どです。
最初に起こるのが、構造系の故障です。
これを放置して於きますと、慢性的にベアリングやギアなどに大きな負荷が掛かり磨耗系の故障に発展します。
回転機械に良く使われているベアリングは、構造系の故障によりそのベアリングの持つ本来の寿命に達する前に磨耗系の故障により寿命を著しく短くしています。
アンバランス、ミスアライメント等の構造系故障は最初に振動となって必ず現れます。
この振動を見逃さずに早期に発見し対策することが機械寿命を延ばすのに一番の重要です。

ベアリングで行けば正当な寿命を真っ当して交換される物は1割も有りません。
構造系の故障によりダメージを受けたベアリングだけを交換しても余り意味を持ちません。
交換を余儀なくした構造系の故障を修正しない限り、交換されたベアリングは以前のベアリングの寿命の1/2程度になってしまいます。

しかしベアリングは消耗品です。
何処の位置に使われようと交換を前提としたメンテナンスが出来るように設計しています。
ベアリングを取り付ける穴(ハウジング穴)はベアリングを適切に挿入するためのハウジング内径のはめあい寸法公差の指定が必要になります。
JIS規格ですのでどのメーカーもベアリングでも同じです。
ダストシール有無、接触、非接触タイプ、材質の違い、勿論内外径、厚さなどさまざまです。
車、電車等の車両メーカー用の専用のタイプも作られています。

電気系でいけばヒューズと同じ働きもしています。
自ら壊れる事により他の部分に損害を与えないようにします。

何が大事かと言われれば、基本的には適切な強度計算ですね。
機械各部に生じる応力を制限して置かなくてはいけません。
過負荷防止機構、機械に生じる腐食、経年劣化、摩耗等を考慮してその材質材料を選択しておきます。
環境に配慮する事も必要です。
有害性のない材料の使用です、使用中そして廃棄時の事も考えておきませんといけません。
近年は電磁ノイズによる機械の誤動作の防止、他の機械の誤動作を引き起こすおそれのある不要な電磁波の放射の防止のための措置は不可欠になっています。

故障によって間違いなく機械振動が発生します。
3次元的に発生する事が多く、特に構造系故障では故障の種類によって特徴が現れる方向が異ります。
例えば、アンバラスでは半径方向に、ミスアライメントでは軸方向に特徴が現れます。

操作に付いてもやはり順序はあります。
起動は、制御信号のエネルギーの低い状態から高い状態への移行させます。
停止は逆に、制御信号のエネルギーの高い状態から低い状態への移行です。


バイクに使用されている機構をチョット覗いて見ましょう。
ギア(歯車)も多数も使用されています。
回転体の周囲に取り付け歯をかみ合わせて,動力や運動を伝達するために使われています。
動力や運動を高効率、高精度で伝えることができるという特徴があります。
もっとも一般的なのは平歯車でしょう。
クランク軸廻り、ミッションは典型的な部分です。
OHCにはチェーン伝達、ベルト伝達の他、傘車(ベベルギア)による伝達方法も使われています。
傘歯車に似た、はすば傘歯車(ヘリカルギア)も有ります。
平歯車のハスバ歯車も勿論あります。
歯の噛み合は滑らかで騒音も少ないのですが軸方向にスラスト荷重が生じるため使用時には考慮する必要があります。
ウオームギアは大きな力を伝達できますが、通常の歯車と比べて摩擦損失が大きくなりますので適切な潤滑が必要です。
このウォームも軸方向の大きなスラスト荷重が生じます。
これら歯車にはバックラッシュがあります。
一対の歯車をかみ合わせたときの歯面間の遊びです。
歯車を滑らかに無理なく回転させるためにバックラッシュが適切に必要です。
バックラッシュが小さすぎると潤滑が不十分になり易く歯面同士の摩擦が大きくります。
逆にバックラッシュが大きすぎると噛合いが悪くなり歯車が破損しやすくなります。

歯車は動力や運動を正確に伝えることができますが高負荷・高速回転で運転するとかなりの騒音がでます。
トルク変動が大きい場合やバックラッシが大きいと騒音が発生しやすいです。
噛合いが小さな場合にも騒音の原因となります。
回転比、減速比、増速比の大きさにも寄りますが。
潤滑が適切でないとやはり騒音は大きくなります、粘度の高い潤滑油の方が騒音は小さいのですがロスも大きくなります。


軸も考えて見ましょう。
軸は荷重の加わり方によって伝動軸、機械軸、車軸の3種類に分類されます。

伝動軸とは回転によって動力を伝達する軸です。
この軸は主としてねじり荷重(トルク)を受けますので設計時にはその強度に注意する必要があります。
機械軸は旋盤やフライス盤の主軸などの軸のことです、このような軸は高い回転精度が要求されます。
車軸は主として車輪を持つ軸です、車軸は大きい曲げ荷重を受けますので軸受などによる支持が重要になります。

カムも使用されています。
給排気バルブの開閉、ポイントの開閉に使われているものが殆どです。
一部チェーンアジャスタとして偏芯カムも使われていますが。
制御スピードから行きますとカムが最高です。
どんな優秀なサーボモーター、と位置決め装置を使用しても絶対に敵いません。
バルブのカムはお結び型の単純な構造で開閉の2工程しかありませんが、日本地図?のようなカムを設計する時もあります。
凹凸が何箇所もあります、全てのシーケンスをその凹凸で制御します、曲線が重要です。
タイミングを間違えるととんでもない動きになります。
電気制御はとってもお気楽です、自由自在、指先だけでプログラムが変えられますから。
カムは1から作り直しです!

シールもついでに・・・
シールは静止面の密封に使われる静的シール、運動面の密封に使われる動的シールがあります。
静的シールは固定シール、ガスケット、動的シールは運動シール、パッキンです。
シール装置を使用する場合シールの対象となる流体(液体,気体)の状態や周囲の環境を把握しておく必要があります。
液体のシールは気体のシールよりも簡単です。
油、ガソリン、海水など他の材料に悪影響を与える流体をシールする場合には使用できるシール材料が制限されます。

考えなければいけないのは圧力、温度です。
流体は圧力が高い方から低い方へと流れます。
圧力差が大きいほど厳重なシール装置が必要となります。
気体、流体の温度(シール部の温度)も重要です。
取り扱う流体の温度が室温に近い場合でも高速で運動する動的シールなどでは摩擦熱により温度が上昇しますので注意が必要です。

比較的圧力差が小さい箇所のシールとしてシート状のガスケットを用います。
シート状のガスケットには比較的柔らかい材料が使われてます。

ガスケットは2枚の板材を締め付けることにより弾性変形します。
適度な力で締め付けますと板材の凸部で接触し良好なシール特性が得られます。
ガスケットには適度な弾性が必要であり、適度な力で締め付けることが重要なんです。

ガスケットには金属ガスケット(メタルガスケット)とゴムや紙などの非金属ガスケット(ソフトガスケット)があります。
金属ガスケットは変形が小さいですから締め付け力を強くしなければなりません。
非金属ガスケットは締め付け力が弱くてすみますので比較的簡単に適切なシール性能が得られます。
機械的強度は低いですから流体の圧力が高い場合などは壊れ易くなります。
ゴム製ガスケットでは変形量が大きい為,締め付け力が大きすぎると適切なシール性能が得られません。

エンジン、ミッションの組立時液状ガスケットが使われることもあります。
エンジンなどのフランジ面やねじ部に塗布して組み立てるだけで比較的簡単にシールすることができますが安易な使用は・・・・・

組立精度にもガスケットは関係してきます。
ガスケットは材料の弾性変形を利用していますので締め付けによって組立時の締め付け方向の寸法が変わってしまいます。
特にゴム製ガスケットを使用する場合やガスケットを多段に使用する場合には組立精度が低下する可能性があります。

高い組立精度が必要な場合にはOリングなどのシールの利用でしょう。
Oリングにも固定用、運動用があります。
比較的安価で多様な寸法がそろっていますので液体や気体の静的シールおよび動的シールとして利用しやすいです。

オイルシールも多用されています。
目的別に回転軸用と往復軸用があります。
オイルシールは機械の軸回転部分または軸の往復部分に使用され主に内部からの潤滑油の漏れを防ぐと同時に外部からの異物の進入を防ぐために使われています。
オイルシールには様々な形状がありますが一般的にゴム材料のくさび状のリップがありリップ外側のばねによりリップ先端を軸の表面に押し付けて密封しています。
機械的強度を保つために金属板によって外周部を補強しています。
オイルシールはメーカーにより様々な形式、材質のものが市販されています。
しかしその主要寸法はベアリングと同じくJISによって規格化されていますので通常の機械設計においては規格化されたオイルシールに合わせて部品形状を決めています。
頻繁に交換され大量に必要があるのが消耗品です。
基本的にその為のJIS規格でもあるのです。

Oリングと同様にオイルシールのシール面(主としてリップ部分)に傷が付きますと適切なシール性能が保たれません。
オイルシールを脱着する際に傷をつけやすいので注意するとともに、部品の穴部や軸部に十分な面取り加工を施す必要があります。

オイルシールを取り付ける穴(ハウジング穴)はオイルシールを適切に挿入するためのハウジング内径のはめあい(寸法公差),オイルシール外面のシールを保つための表面粗さの指定が必要になります。
挿入時にオイルシールを傷つけないために面取り部にも表面粗さを指定します。
軸の寸法と表面粗さも重要です。
オイルシールに挿入される軸のはめあい(寸法公差)や表面粗さ,表面硬さも使用するオイルシールの形式や状態に合わせる必要があります。
適切な軸が使用されないとシール性が保たれないだけでなくリップの摩耗が大きくなったり軸を傷つけたりします。
軸心もあります。
オイルシールはラジアル荷重やスラスト荷重を受けることはできません。
オイルシールを使用する場合は軸受と併用して軸とオイルシールの軸心を正確に合わせなければなりません。

追求していていきますともっと専門的に書かなくてはいけなくなります。
機械要素はまだいっぱいあります。
いつもこんなことを楽しそうに教えている?私のお仕事の一環です。

このサイトは私の独断と偏見で成り立っているはず・・・
趣味のレストアライフを送っていますから辞めましょう。
この辞める字は業務でした、止めましょうです。

バイクの寿命はどれくらいなのでしょうか。
数は少ないですが50年、60年以上前のバイクが現役で走っています。
メーカーもまさか50年後に走っていると夢にも思って造ってはいなかったことでしょう。


私も、旧いバイクを好んで弄り遊んでいます。
サービスマニアルなどありません?
バイクの機構はとっても簡単に出来ています。
当時のエンジニアが何を考え、何を意図しているのか考えるのが楽しいんです。
その機構、構造、使用されている部品を見ればその目的がわかります。
必要な所へ適切な部品を使用すれば自ずと目的とする機械が組みあがります。
バイクのレストアでしたら一から設計する訳ではありません。
バラバラにしてもプラモデル?メタルモデルのように組み上げるだけですから大丈夫!?
機械的な欠品パーツがあってもその欠品部分の機構を考えれば簡単に目的は達成されます。

使用されているパーツの仕様でそのバイク、エンジンの性能を知ることが出来ます。
使用されているネジ1本取ってもその材質、太さ、ピッチでその部分の目的、その部分に掛かるストレスを計れます。
基本はそのパーツの特性を材質も含め知ることでしょう。
各々のパーツの目的、仕様を理解すれば必要なパーツは作り出すことが出来ます。
機構を理解すれば必要なクリアランス等は設定出来ますので、マニアルがなくても間違いなく組立、調整が出来ます。

バイクの電装は必要とする電装パーツ、電気配線は限られます。
旧いバイクは電気的にコントロールされている箇所は非常に少ないでものです。
電気の配線を1から引き直しても知れています。
新規製作、汎用品、他車流用でどうにでも成りますのでお気軽です。


機械装置には減価償却と称して耐用年数があります。
使用するのに問題が無くても効率、生産する機種により不要となればその耐用年数の前に廃棄処分されています。

あるエンジニアから「思ったより早く壊れた」などと云われない程度に合わすのが設計寿命!?とのお言葉も頂いております。
私のはいつもオーバースペックのようです、自己満足が入っていますかね!?

バイクも昔は山のように廃棄され積み上げてあるのを目にしていました。
メグロ、陸王もありました、W1ばかり積みあがっているのも見たことがあります。
次々に発売される高性能なバイクに時代遅れとのレッテルを貼られ次の乗り手もいないまま廃棄されていきました。

近年では土に返りそうなバイクをレストアと称して甦らせて楽しんでいます。
どんなにサビサビ、ボロボロでも、このバイクに乗りたいと思う人がいる限りそのバイクの寿命は半永久的なのかも知れません!!
直せないと思った時点で寿命なのでしょう。
幸い今まで一度も諦めたことがありません。

形あるものはいつかは壊れます、でも必ず直せます、絶対に!
私は諦めの悪いエンジニアです。
昔のエンジニアの息吹を感じながら、その英知を楽しんでいます。

レストアをバイクに乗る手段でなく目的?にしているレストア馬鹿ですから・・・・・・・・・

本末転倒!?