普段何気なく見ているものに塗装があります。
あまり気にする事がないのですが、表面処理としてのバイクの塗装をチョッと考えてみます。
メッキは業者にお願いする事がほとんどですが、塗装くらいはどうにかできそうです。
この
くらい が曲者なのですがやってみましょう。
誰にでも、お手軽に屋根や塀を刷毛塗り、ローラー等でそしてエアゾール式の缶スプレーで出来ますので安易に考えてしまいます。
この塗装もメッキと同じく金属の保護と美観でしょう。
旧車は黒塗装がほとんどです、ヤマハの赤とんぼもありましたが、赤ではないでしょうあの色は、まあアズキ色です。
メグロにもそんな色があったと思います。
あとは白バイの白、以前は白ではなく赤だったと聞いた事がありますが、さなかでは有りません。
それだけにW1のタンクの赤や青、CB750が出たときの青、その後の金色は結構インパクトがありました。
実用車のように黒が多い中でしたから、クジラタンク、神社仏閣も黒とメッキでしたし・・・・・・・・・・・・・・・・・・
マッハVも初期は黒マッハ、そして赤マッハ、青マッハ・・・・でした、その後のKHではレインボーカラーも・・・・ステッカーでしたが。
私も最近は、フレームをパウダーコート(静電粉体塗装)をお願いしたりしています。
以前は、白、黒、赤、クリアくらいしかありませんでしたが最近は数千種類もあるとか、その上メタリックも可能・・・・・・・・進歩です。
ガードレール(エポキシ樹脂)と同じですから、塗膜も非常に強いです、まさにフレーム向き。
家庭用の装飾品や家電用のパウダーコートはポリエステル樹脂の方が多いです。。
以前は耐溶剤性に問題があったのですが、この辺りも改善されています。
通常100μmくらいの膜厚です。
退色性、耐溶剤性、耐摩耗性・・・・・・・・最近の塗料は性能そのものが良くなっていますので適正に処理された塗膜には問題は起きません。
アマチュア、レストアラーが塗装を行うときに何が問題かというと、やはり密着性です。
レストアで足付けと称して、サンドペーパーなどで旧塗膜の表面に凹凸をつけています。
サビ取りと同時にこれが出来るブラストがお勧めです。
これは、アンカー効果と言っています。
クサビの効果と同じで食い込ませて密着をあげています。
エンジンの冷却フィンの表面積を増やす効果もあります。
バイク等のレストアを行なうときに旧い塗膜を剥がすことが必要になることもあります。
ドライブラストで行なえば細かい奥まったところも楽です。
表面が活性化していますので、すぐにサビ始めます。
手早く塗装工程に移行しないといけませんので、段取りが重要です。
ワイヤブラシや電気ドリル、サンダー等にカップブラシ等で行なうことも多々ありますが複雑な形状の物には苦労しますし、危険が伴います。
ドイツの製品にこの用途に適した物があります。
伊那方面にこれを商品化している、現在世界シェアNo.1というより100%のシェアを持つ所の製品があります。
もう一つは剥離剤の使用でしょうか。
これにも沢山の種類があり、アルミ用、マグネシュウム用、鉄用・・・でその素材を侵さないように作られています。
残念ながらプラスチック用は私の知る限り無いようです。
もちろん万能と言う訳ではなく、使われている塗料の種類よりこれまた色々とあります。
厄介なのは、その後始末です。
後始末はお片付けの方でなく、フレーム等の素材に残った剥離剤をどう無害化、中性化するかです。
洗浄すればよいのですが、これが不十分ですと数年後には剥離してきます。
水性の剥離剤もありますし(剥離能力は低い)水道水での洗浄でもよいのですが、塗料を剥離したあとはやはりサビ易いです。
こんどはサビ(薄いですが)と戦わなくてはいけません。
剥離剤の残り、サビ等は塗料の密着にもろ影響しますので大変です。
ブラスト後もそうですが揮発性のある化学洗浄(炭素系)が一番良いのですが人体、ご近所への影響もありますから。
メッキもそうですが脱脂が十分でないと層間剥離が起こります。
脱脂、文字どうりと言いたいのですが、脂 この月辺のアブラは大丈夫なのです、取らなくても。
問題なのは 油 この三ずいの アブラがいけません。
ワークに手を触れない事は出来ませんから、この対策にグローブを嵌めてなどと考えないほうが良いと思います。
木綿は言うに及ばず化学繊維、ナイロン系とかでもケバの原因となります。
一体成型のものならば、ですが手術用のぴったりしたものならばいいかなと思います。
ブカブカですとワーク・・・タンクとかを手を滑らせて落として泣きを見ることにも成りかねません。
もちろん取り除いたほうが良いのですが、これは塗装の際のハジキの原因なのですから。
使う溶剤にもよりますが、この 脂 は溶剤により溶解されます。
対して この 油 はほとんど溶解されません。
この場合の溶剤というのは、希釈に使う有機溶剤、シンナーのことです。
このシンナーにも色々あります。
夏用、冬用(希釈シンナーの蒸発スピード)は当たり前ですが、プラスチック用、金属用・・・・・・・・・・・・・・・・・
溶解力の強弱、温度による使い分け、材質による使い分け、塗料樹脂による・・・・・・・・・・・・・・・・・・
塗料には表面を平らにする(表面張力を殺す)デベリング剤、ガラスビーズを添加したりと色々です。
エンプラ(エンジニアプラスチック)ひっくるめてプラスチックです。
当然材質により程度の差はあれ溶剤に溶けやすいもの、まったく溶けないものもあります。
補足をすれば、熱や圧力を掛けて形が変わるもの、いわゆる可塑性を持つものをプラスチックといっています。
プラスチックという物質があるわけではありません。
最近はしっかり禁止されていますが、ポリ容器へのガソリン売り。
このポリはガソリンにはほとんど犯されません。
正式にはポリエチレン(PE)です、酸アルカリに対しても強いですがUV(紫外線)には弱いです。チョーキング(白化現象)が起こります。
ペットボトルもポリエチレンです、付いている白?のキャップはポリプロピレンです。
スクータのツーリングに2Lのペットボトルに入れて行きました、規制前はお手ごろだったのですが残念です。
ポリプロピレン(PP)もオレフィン系ですがこの系統も非常に塗料の密着が悪いです。
最悪はポリアセタール(POM)商品名のほうが通りのいいジュラコンです。
アクリル系も密着の悪い物の一つです。
シリコン系もダメですが、逆に塗装する際のマスキングに使ったりしています。
こんな役にも立たないことを書いていてもいけませんので、とっとと先に行きましょう。
早い話が、エンプラは密着が悪い物がほとんどです。
なぜ?、有機溶剤に犯されない、溶けないからが一番簡単な答えです、分子結合とかポーラスとか色々あるのですが・・・・・・・・・・・。
異論もお有りでしょうが。
逆に溶けてしまうものもあります、これはこれで始末が悪いです。
溶剤に犯されすぎて形が変わってしまいます、当然強度は・・・・・・・・・・・・・となります。
実際にバイクや車に使われているのは、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)辺りでしょう。
アット、ブレーキ、セイフティーではなくアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)のものも多いです。
あまり意味がないですし、カタカナで書くとわかりにくいですし良く解からないのであとは略称でいきます
PC,ABSでも強度アップのためにGFを入れています。
え?、GFはガラスファイバー(Giass Fiber)です、解かりいいのか悪いのか・・・・結局書いています。
社外品によく使われているGFRPにはGFが、CFRPにはカーボンファイバー(CF)を入れて強化しています。
このガラス繊維なりカーボン繊維なりが曲者です。
元々どちらの繊維も密着の悪いところへ持ってきて、有機溶剤でわずかに溶けたプラスチックの表面からこの繊維が起きてしまいます。
結果、表面が剣山のごとく針の山のように繊維が立ってしまいます。
この針の山へケバが引っかかり、もう最悪です。
通常FRPは不飽和ポリエステルで作りますのであまり問題になりません、タルク等のゲルコート処理していますから。
このポリエステル自体には密着は凄く悪いです。
ポリエステルの変わりにPCにGFを20%ほど入れてで作ってみたときの事です。
作るのに使用した樹脂の選択ミスもありますが・・・・・・・・・・・・・・
レストアのときに、樹脂カバーも作る人向けです、いやレストア馬鹿向けです、そこまでしません?、もう止めときましょう・・・・・・・・・・・・
実際には欠損箇所の修復程度、割れ、キズの修復ですからいいんです。
問題は旧い塗膜との相性?です、相性は大事です。
カバーへの塗装とかで旧い塗膜と新しい塗膜の密着不良とか旧い塗膜がちじんで、シワシワになったりすることのことです。
このシワシワは簡単に言ってしまうと、使った溶剤が強すぎる為に起こります。
金属のものではあまり起きませんが、プラスチック系のワークの時に起こりやすい現象です。
これは、メーカーの塗膜が弱いといってしまうには可愛そうです。
樹脂ですのでその樹脂を極端に侵さないような塗料、溶剤を使っているためです。
この溶剤より弱い溶剤を使えば問題は起こらないのですが、メーカーのものはわかりませんから起きてしまったらあきらめましょう。
一番上の塗膜、いわゆるトップコートをキズつけなければ大丈夫なのですが、最初からキズになっているものは・・・・・・・・
大体起こるのは下地が出てしまっているものに起こります。
溶剤が旧塗膜の層間に入り込み侵してしまいブヨブヨとなります。
多分お使いだと思います、旧い塗膜を剥がすのに剥離剤を、あれとおなじ事が起きています。
この剥離材の後処理が悪いと経年変化で塗装が浮いてきます。
ただ旧いバイクの場合トップコートが掛かっているのは、ガソリンタンクくらいです。
サイドカバー等はソリッドのままのものがほとんどですし、特に旧いバイクの黒塗装のものはまったくと言っていいほどトップコートはありません。
なぜ金属だと起きにくいのかといいますと塗料の種類の問題です。
硬化剤を使用しない塗料、ラッカーとかです、乾燥すれば見た目は同じように見えますが、溶剤で溶け出してしまいます。
一液タイプがダメな訳ではなく、プロの使用している一液タイプのものは熱硬化型の塗料がほとんどです。
アルキド系の耐熱塗料ですとか、メラミン系です。
このタイプは熱硬化させるのに、200℃以上掛けているのが一般的です。
最近は140℃くらいの熱硬化型もあります。
この為、金属には使えますが、プラスチックには使えません、熱で溶けてしまいますから。
いま通常に売られている一液のウレタン塗料は、ワンパックです、お手軽ですが売りです。
このエアゾールタイプの塗料は本当の所は二液タイプです。
これは希釈する有機溶剤(シンナー)の中にリアクターとして最初から入っています。
これが空気中の水分と反応(架橋効果)して硬化します。
使うときには、硬化剤を入れる手間を省いているだけです。
二液タイプは塗料と硬化剤を使用するタイプです、もちろん希釈としてシンナーを使用します。
このタイプはウレタン系の塗料がほとんどです。
ポリウレタン塗料といっていますが、実際にはアクリルウレタン塗料がほとんどです、ポリウレタン100%の塗料はかなり使いにくいです。
イソシアネート基と水酸基の架橋反応で硬化します。
簡単に言うと塗料の中のイソシアネートが空気中の水分と反応する、ウレタン結合です。
反応性がとてもよく加熱しなくとも反応が進行します、一度反応してしまえば非常に安定な構造になります。
塗膜の安定性がよく(結合が強く)紫外線に対する耐久性も優れています。
塗装して放置しておけば勝手に硬化ますので乾燥機等で過熱する必要はありません。
72時間もほって置けば十分塗膜性能は出ています。
プロは乾燥機を使用しています、3日も待てない、も有りますが加熱する事により反応を促進します。
温度にもよりますがこのタイプは90℃で0.5hくらいが一般的です。
実際には塗膜強度は強制乾燥のほうが表面硬度は自然乾燥より高くなっています。
この乾燥方法にも大雑把には二通りあります。
シーズヒーター等の外部から乾燥させるタイプと、遠赤外線、中波長ヒーターのように内部から乾燥させるタイプです。
塗膜性能に違いは無いのですが、仕上がりの色に違いが出ます。
メタリック等のアルミの入った塗料では中波長ヒーター等は不向きです。
アルミのフレークによって赤外線が反射され熱ムラも起こっています。
UV(ウルトラバイオレット)硬化のタイプもあります。
この紫外線硬化タイプはレストアに使われることはまずありません。
修正が不可能?(一発勝負)だからです、塗膜の硬度はかなりあります、携帯電話とかのトップコートによく使われています。
逆にレストアには可視光パテは使いよいです、FRPの補修用にも可視光硬化タイプもあります。
自然乾燥タイプといえば、建築用を除けばNCラッカー、アクリルラッカーが一般的です。
ホームセンター、カーショップとかで補修用で売られているのはアクリル塗料が多いです。
ホルツあたりはウレタン塗料だったと思います。
どちらも一液タイプですから多くは望めません、一液塗料の代表?のラッカーよりは樹脂の特性少しはましです。
二液の反応硬化とは比べるのが可哀想ですが。
一液タイプで強いのは熱効果型です。
200℃以上掛けて焼付けるタイプです。
焼付メラミンはメラミン樹脂とアルキド樹脂、焼付アクリルはアクリル樹脂とメラミン樹脂の組み合わせでしょう。
レストアですからこの塗装は自分で行う方が多いのではとは思います。
コンプレッサーがあれば塗装用のスプレーガンで塗装は可能ですが、乾燥機を使用できる環境までは中々無いと思います。
どうしたら、やはりホームセンター、カーショップのエアゾールタイプでしょう。
最終のトップコートだけ二液の硬化型のクリアーで自然乾燥でしょう。
塗料もプラスチック用、金属用は違います、素材の膨張率の違いに塗膜を追従させる必要があるからです。
密着はプラーマー、耐溶剤性はトップコートで何とかなります。
たまたま私は、他所の塗装ブース、乾燥設備を好きなように使わせて頂いておりますので塗装も結構気楽に行っております。
ここの会社の専門は光学機器、電子機器関係の精密な塗装が主ですが、新素材の開発、高機能の付加価値を目指して行っています。
そんな装置、機械開発の関係からの友好関係の賜物、いや協力頂いております。
塗料も調色からお願いしています、フェラーリの赤をPG80タイプでお願いします・・・・・・・・・・・・
色見本があれば、たとえばカバーとかを付けて「この色で」とお願いすれば作っていただけます。
バイクメーカーの塗装色の番号がわかればその番号でいいでしょう。
ただ旧いバイクは退色もありますから合いません。
各メーカーの車両用の番号入りの色見本は、車屋さんはほとんど持っています、バイクは?です。
車両用の場合はこの番号は塗料メーカーにより違いますので気を付けないといけませんが。
一般的な色は、以前はマンセル値でしたが今は日塗工の番号です。
こちらの色番号でいけばどの塗料メーカーでもおなじ色です。
好きな色で好きな塗料、タイプでと、使いやすいウレタン系を選定してそれで作っていただきます。
使っているのは、関西ペイントか武蔵塗料がほとんどです。
ただこの色は結構曲者です。
隠蔽力の問題です、隠ぺい力は文字どうり下の色を隠す力です。
この力が強いのは、黒と白です、プライマー、サフェイサーに白や黒が多いのはこの為です。
部分的にパテ修正とかをした物に赤や黄色を塗装しても色が違って見えます。
隠蔽力のない赤、黄色では透けて下の色との合わさった色に見えてしまうからです。
色合いが違うからと、厚塗りになり結果塗料が垂れる事になります。
これはいくら厚塗りを重ねても絶対に合いません。
私は黒塗装以外の色の時には白、グレー系を一旦塗装してから好みの色に塗装しています。
シルバーとかのメタリック系は結構隠蔽力がありますが基本は下地は黒です、メタリックのアルミがしっかり反映されます。
特に最近流行のメッキ調で仕上げるには下地は黒でないとあの感じは出ません。
これは希釈の問題もあるのですが、基本的に薄膜で仕上げなければいけないタイプの塗料の為です。
下地の黒を透かしてメッキ調に見せているからです。
プラサフと言うのもあります。
これはプライマーとサフェイサーの用途を一緒にした物です。
サフェイサーはパテとはチョッと違いますが厚塗りが出来ます。
わずかな凹凸を埋めることが出来ます、このサフェイサーを水研とかで研磨して面だしをします。
プライマーはワークと塗膜を密着させる為に使用します。
接着剤みたいな物です。
鉄の部品ですとあまり問題にはなりませんが、プラスチック、アルミ、マグネシュームはチョッと考えなくてはいけません。
アルミ部品は通常の塗料では密着が悪くて剥がれてしまいます。
アルミと塗膜の膨張率の違いにより、寒暖?で塗膜にクラックが入ったり割れる事もあります。
最近はアルミのバフ掛け面にプラーマーなしで密着性の良い塗料も有りますが一般的にはプラーマーが必要です。
マグネシュームもその特性状、放熱はとてもよいのですが保護してあげませんとボロボロになってしまいます。
プラスチックはその種類によりプライマーを選定しませんと意味がありません。
塗装したときに塗料が垂れてしまうこともあります。
ウレタン系は肉持ちがよく垂れにくいのですが、希釈が多いと流れます。
一度に厚塗りすれば当然ですが、厚塗りでなくても何度かに分けて塗り重ねていきます。
通常はソリッド(単色)カラーのときは60%くらい、メタリック系で70%くらいの希釈率です。
塗料が垂れてしまってもあわてずに、其のまま乾燥させたほうが賢明です。
研磨して修正するのが一番です。
流れてしまった物は修正して再度塗装しますが、ゆず肌は構わないです、最終のトップコートのクリアーでいけます。
このトップコートもゆず肌になってしまったら、1500、2000番と上げて研磨します。
逆にこのゆず肌の上にトップコートで鏡面を出しますと奥行きのある重厚な感じになります。
最終は3Mのコンパウンドで磨き上げます。
塗装面の研磨ではエッジ部分への塗料の乗りが悪いですから、慎重に。
ちなみにゆず肌は塗料が濃いか、希釈シンナーの蒸発が早いことが考えられます。
気温、湿度や季節を考えてシンナーを選ばなければいけません。
デベリング剤を塗料に入れるのも有効ですが、レストアラーはそこまで出来ませんので条件の良いときに塗装するのが一番です。
もう一つかぶりが生じる事があります、塗装の表面が白く濁ったようになる事です。
これも湿気の多いときにシンナー分の蒸発が追いつかないときに起こります。
ウレタン塗料に限らず、垂れる寸前が一番艶が出ます。
ウレタン塗料は袋のような形状の時、ガソリンタンクの裏のようなU型のときには吹付圧の反射で塗料の回り込みが起こります。
今塗っている以外のところが荒れやすいです。
蒸発の遅いシンナーを使うか、希釈を増やして(塗料を薄くして)塗装するのが有効です。
塗装面に付いてしまうキズ、致しかたないんですが、どうにかならないんでしょうか。
通常の塗装の膜厚は20から30μmくらいです。
プロほど塗膜は薄いです。
レストアラーは心配でツイツイ厚塗りをしてしまいます。
キズから守るには?、飾っておく・・・・・・・・・・・解決になりません。
洗車のとき、もちろん何かをぶつけたとき、転倒はあきらめましょう。
洗車は洗わなければいいのですが、手洗いで優しくすれば何とかなりそうです。
ライディングで摩れてしまうのは、耐磨耗性のある塗装でいけそうです。
Sio2のガラス皮膜でも作ればどうでしょう、実際屈曲性のあるガラス皮膜はできます、結構簡単です。
私も趣味で作って使って?遊んでいます、常温ガラスと呼んでいます。
化学反応でつくりますから、逆にこの反応の進行を止めるほうが大変です、ほって置くとドンドン硬くなっていきます。
9Hくらいは出ます、このHは鉛筆硬度です、正式な塗膜試験でも使われます。
塗膜の硬度は通常3Hくらいです、最近6Hくらいのクリアーも出ています。
他の硬度の時は、ロックウエル、ブリネル、ビッカース、ショアで表現します。
キズを付きにくくするのに二通りの方法があります。
硬くするか、柔らかくするかのどちらかです。
硬いのはわかり易いです、ただ塗膜の場合ですと欠けます、硬ければいいという訳でもありません。
柔らかくするのは、衝撃を吸収する方法です、スポンジのように。
スポンジを金槌で叩いても傷が付かないのと同じです。
もう一つ考えられるのは、摩擦抵抗を減らすことです。
擦れて付くキズには有効です、μを低くして滑らせてしまいます。
潤滑塗装の応用です、テフロンとかはお馴染みです、汚れも付きにくくなります。
レストアの必需品?にパテがあります。
出来ればパテなど使わずに板金で仕上げたいのですが、最小限に留めたいものです。
まあメーカー、塗装のプロも使っていますので一概に悪いとは言えません。
赤錆オヤジさんがパテを使うと罪悪感を感じるとおっしゃっていますが、私も手抜きをしているみたいでなんとなく後ろめたい気持ちがあります。
これにも薄付け用のラッカーパテと厚付が出来るポリパテがあります。
こちらも硬化剤を使用した二液タイプがお勧めです。
すぐに硬化が始まりますので準備が大事です。
粘度がありすぎる時には、スチレンモノマーを少し加えます。
硬化時間はたいして変わりませんが伸びやすくなりますので作業性がよくなります。
スチレンモノマーといっても解かりにくいですが元々ポリパテに含まれています。
レストアラーはあまり知りませんが模型、フィギアを作る方にはお馴染みです。
模型屋さんには多分あります、パテ希釈剤として売られているはずです。
私は塗料もパテも商社から入れて頂いていますので、スチレンモノマーとして買っています
パテの研磨は大変です。
削るからと余計に塗りますと、あとの研磨がたいへんです、研磨剤も沢山必要となりますし、疲れます。
練り合わせの方法にも問題がありますが、厚塗りですと気泡を噛み易く研磨したら小さな穴だらけとか・・・・・・・・・・・
厚付け、研磨、中間パテ、研磨、仕上げパテ、研磨、地道な作業が続きます。
ここで手を抜くと後ではどうにもなりません。
強制乾燥(加熱)ですと、塗膜の下のピンホールの空気が膨張し気泡となって火山のように噴火?してクレーターのようになってしまいます。
こうなったら何度やり直しても結果は同じです、悪化する一方です。
研磨材ですが、一般的には耐水のサンドペーパです。
荒いもの(番号が小さい)ものから初めて段々細かな番手に変えて行きます。
100、300、600、1000、2000のように。
最初の荒いペーパの時に深い傷をつけますと後々大変です、キズが消えません。
最初の研磨はパテの凹凸をとる程度で大雑把な形状でやめておいたほうが賢明です。
前のペーパー目が消える程度研磨したら番手を上げます。
バイク部品はRの付いた形状のものが多数です。
私は3Mのスポンジタイプを愛用しています。
ポリパテ以外に、デブゴン(商品名)のような金属粉配合のエポキシ系のパテもよく私は使っています。
穴あけ、タップ等の後加工が出来ますので結構重宝しています。
ガラスファイバー入りの物もあります、どちらも強度も多少は出せますので、鉄板の虫食い等に使っています。
まあ塗装は他の部分をプラモデル感覚で組み立てるようにはいかないようです。
機械的な要素が何もありませんので、レストアでも苦手な分野です。
まあ、直すのが楽しみですからレストア馬鹿はいいのです。