Meguro J8
スピードメーターの補修
メーター本体には不都合は無いようです。

メーターケーブルはアウターが断線したまま放置しています。

やはりスピードメーターが稼動しないのは視覚的に寂しいものがあります。

直しましょう!
メーターケーブル
硬化したアウターケーブルは見る影も無く、あちらこちらで被覆が破れています。

螺旋のスチール部も無残に破断しています。

インナーケーブルも錆だらけです。

純正品の入手は難しいでしょう。
インナーケーブルは何時切れても不思議はありません

状態が良ければアウターケーブルのみの入れ替えでいけるのですが。

今回はインナーケーブルが使用出来ない程の痛みでしたので見合わせました。

この際、流用して製作しましょう。
メグロは別体のミッションからスピードメーターに駆動ケーブルを引いています。

近年はメーターケーブルをフロントホイールから取り出している物が殆どです。

長さが不足し流用には不向きです。

メーターケーブルは旧英国車の物を流用しましょう。

旧英国車はミッション、リアホイールからの取り出しが殆どです。

新品で入手できます。

5Feet8inchを流用です。
メーターケーブルのドライブエンドは異なります。

コネクター部はメグロのメーターケーブルの残骸から取り外します。

ドライブエンドは両端共に雄ネジに成っています。

このタイプは他で見かけない方式です。
インナーケーブルのミッション側ピックアップ部も流用ケーブルと異なります。

旧英国車のタコメーターギアからのピックアップによく見られる方式です。

こちらも残骸から取り外して転用しましょう。
ドライブエンドを新たに製作です。

A5056を加工しています。

アウターケーブルとドライブエンドの挿入径のクリアランスはマイナスに取っています。

ロックナットは其のまま流用します。
アウターケーブル製作完了です。

専用治具で幅15mm、径で0.6mm絞っています。

狭い範囲でキツく絞るか、浅く幅広く絞り広範囲で保持するかですね。

アウター外皮樹脂の負担を考えますと後者の方が有利です。

30kg掛けても抜けません。

オリジナルの6角形にしますと意外に締め付ける力は弱いのです。
左側が流用製作したインナーケーブルです。

流用のインナーケーブルはオリジナルより0.6mm径が太い仕様です。

ピックアップもオリジナルの流用を止め真鍮で新規に製作しました。

ミッション側ピックアップは軽くカシメてロックしました。

メータードライブソケットへのインナーケーブルの挿入長は13mmに調整して有ります。
スピードメーター
メグロ J8 アーガス
メグロ アーガスJ8のスピードメーターです。

インジケータが脱落欠損しています。

ベゼルは錆で醜いですね。

目立つパーツですので思案です。
インジケータの修理にスピードメーターをバラします。

ゴムパッキンは2種類使用されています。
メグロのインジケータ色は現行車と違います。

ニュートラル=赤、チャージ=橙、トップギア=緑と成っています。

トップギアの表示があるのはロータリーミッションへの対応です。

ニュートラルが赤なのは気に入りません、トップギアと配線を入れ替えます。
インジケータの製作はハンドプレスとヒートガンで行ないます。

材料を加熱し柔らかくなったところでプレスします。

量産するなら型にヒーターを入れますが数個造るだけですから簡易にいきます。

オリジナルのインジケータはダイヤカットです。

型取りすれば再現可能ですがオリジナルには全く拘りは有りません。

表示が解かれば良いだけですので球状に簡素化します。
インジケータ製作用の冶具です。

メス型はt5.0mmのアルミプレートにエンドミルを使用したR2.9mmの半球の穴加工です。

オス型はA5056丸棒の先端をR2.4mmの球形状に加工してあります。

プレスは最下端から0.5mm上で止まりますので全て0.5mmの肉厚に仕上がります。

型の部分にはフェルトバフで磨きを掛け張り付き防止処理を施しました。

メス治具のプレートに写り込んでいるのがオス冶具の形状です。

二度と出番は無いでしょうが・・・・・・
インジケータの材料は不要のパーツを切断して使用します。

ストップランプ、ウインカレンズ、緑はおもちゃの残骸です。

加熱時間が微妙です。

写真は条件出しでの試験片です。

型へのバフ掛けの効用?、表面も光沢が有り形状もバッチリです。

本番では出来の良い物を切り出して使用します。
決まりましたね。

メグロのインジケータの並びは左から赤、橙、緑です。

インジケータは接着です。


メーターパネルは鮫肌の様に多少の劣化が始まっています。

思案の末、現状を維持出来れば然程でもないと判断し2液クリアー塗装で保護しました。

岡山のc***beeさんのレストア用メーターシートも手元に有りますが見合わせました。
ベゼルの再生はいつも再メッキで仕上げています。

今回は上のツバ付きのタイプを使用してみましょう。

簡単には付きそうにありませんが・・・・・・・・・・

ベゼルは旧英国車に使われるスミスのクロノメトリック用です。

新品が入手できます。
メーターケースのツバを旋盤で落とし代わりにネジを切ります。

ネジ山はそれなりです。

薄物ですので簡単に歪みます。

治具を製作してまで真円を出しても、です。

メーター内部は白の二液塗料で焼付け再塗装しています。
修復完了です。

ニードルも白の二液塗料で焼付け塗装です。

ベゼルはクロノメトリック用のライトハウスへの埋込みフランジが付いたタイプです。

違和感無く収まりました。
おまけ
メグロ S7 ジュニア 
レストア組立て中のメグロS7のMax140Km/Hのスピードメータです。

J8/S8も同じ仕様です。

ベゼルは再メッキをしています。

ケース内は白色のウレタン焼付け塗装で仕上げてあります。
インジケータはダイヤカットのオリジナルを其のまま生かします。

多少色あせしていますが。

文字色はS7はシルバーに成っています。

文字盤は一旦全面を黒色に塗装し、文字部のみ塗装を落としています。
裏側はシンプルです。

インジケータ、照明用のランプ穴が開いています。

メーターケーブルの取付けは本体側に雌ネジを持つ構造です。

メータケースはクロメイトメッキを掛けています。

ネジ類はユニクロメッキです。
OHの際に取り外したベゼルを手動プレスにてカシメ直します。

製作したカシメ専用冶具が写っていませんが。

表にガラスが入っていますので慎重に。

一箇所を一気にカシメずに全周を軽くカシメて行きながら3周程度で完成させます。

べゼルの取り外しの際にも専用治具にセットし歪みを抑えて行っています。
完成です。

オドメータの数値はレストア前に合わせておきました。

状態は上記のメグロJ8と同程度でした。
おまけ
メグロ S5 ジュニア
メグロS5のスピードメータです。

S7/S8より一回り大きい径です。

アンメータが上部に配置されています。

インジケーターは抜け落ちています。

べゼルがネジ留めに成っていますのでOHが簡単です。
アンメータは左右のネジで取り外しが出来ます。
インジケータランプの取り付けがバヨネット方式に成っています。

インジケータランプもバヨネットですので2重です。

取りあえずS5メーターは其のまま放置です。


メーター関連のみリフレッシュ。

インジケーターの材料は03〜0.5mm辺りが適当ですね。

ハンドプレスを使用したのは圧力で押し潰して薄くする試みでした。

薄い材料でしたら手で雄型治具を押さえつけるだけで十分です。

文房具の下敷き辺りが狙い目でしょうかね。

PP(ポリプロピレン)だけは止めましょう。

プライマーを使用しませんと接着剤は利きません。

リム、スポークも新品に入れ替えましたし、こんなことやってるうちに全てレストアしそうです。