Custom made
メグロ ジュニアS8に乗る友人と話をしている内にダイナモの話題に。

彼のダイナモブラシは300kmしか持ちません、異常です。

ツーリングには予備のブラシを沢山携帯して行きます。

いくらダイナモのカーボンブラシが消耗品とはいえツーリング毎の交換は・・・・

思い切ってダイナモを交換しようとしたところスプロケットのロックナットのネジピッチが違うことが判明しました。

最後になってロックナットが入りません、M9 P1.25のナットが入っていました、軸側もM9 P1.25ですが。

交換用のダイナモのネジはM9 P1.0です。

私の手持ちのダイナモをチェックしたところ5個全てM9 P1.0でした。

しかし不思議ではあります。

無いものは作りましょう。

旋盤のネジ切を使わなくてもM9 P1.0 P1.25のタップ、ダイスは手持ちがあります。

旧車大好きですから、勿論M7、M11etc 旧JIS規格用の5mm以下の各種ピッチも揃えてあります。

当時はM7、M9、M11は結構使用されておりました、現在は殆ど使用されていませんね。

ついでにダイナモのスプロケットを外す専用プーラーも作りましょう。
メグロ ダイナモ スプロケットナット&プーラー
何時もボルト、ナット類の製作時には頭はフライスで六角に仕上げています。

今回は最初から六角の材料で楽をしましょう。

8、10、12、13、14、17、19、21mmの快削六角棒です。

快削鋼は良好な材料機械強度特性で各種機械部品に広く使用されています。

硫黄と鉛を含有していますので、切削抵抗が低く削りやすく仕上精度が優れています。

工作加工の寸法を出すのが容易です。
メタルバンドソーで切り分けます。

静かに、あっという間です。
ロックナットは14mm、プーラーは19mmで製作です。
簡単です。

旋盤入門かな。

外径を削って穴あけにタップ加工、ダイス加工で終わりです。
M9 P1.0の専用特殊ナットの完成です。

右がオリジナルです。

ナット部分を1mm高く製作してあります。

レンチサイズは14mmです。
完成です。

只のナットですから問題はありません。
こちらは同時に製作したダイナモスプロケット抜取用のプーラーです。

外周にM16 P1.0のネジを切っています。

M16 P1.0もダイス加工です。

センターにはM10 P1.25の細目タップを通しています。

汎用のM10 細目ボルトをネジ込んで専用工具の完成です。

右は以前に製作したプーラーです、ユニクロメッキを掛けてあります。

ローレットとスパナ加工が面倒でしたので、今回はレンチサイズ19mmにしています。
ダイナモに取り付けてチェックします。

メグロジュニアのダイナモスプロケットはテーパー勘合です。

使い方はスプロケットナットを外し、スプロケットにネジ込んでセンターのボルトを廻すだけです。

爪タイプのギアプーラーより確実、簡単にスプロケットは抜けます。

チェーンも痛みませんし。
きっかけと成ったダイナモのブラシの300km交換。

セグメントも荒れてはいますが原因はベアリングハウジングの偏磨耗です。

偏磨耗により軸がブレてセグメントとブラシとの間に盛大に火花が飛びます。

セグメントその物は純銅です。

荒れて凹凸にはなりますが大根おろし金の様にはなりません。

柔らかな銅ですので鋭い凹凸には成らず、潰れて緩やかな凹凸表面に成ります。

それでもやはりブラシの減りは早いです。

正規の状態なら10,000kmは持ちますから。

偏芯したダイナモはいつかまた直しましょう。


当時の機構は基本的に特殊工具を使わずに整備できるようには成っています。

でも、弘法は筆を選ぶんです。

SST、特殊工具は確実な分解組立には欠かせません。

パーツ供給の無い旧車では外した部品はとても大事なのです。

間に合わせの代替品でも出来ますが、部品の痛みの原因です。

一番は怪我の元ですね。

趣味で怪我をしてはいけません。